【アルバレギア交響楽団首席フルート奏者】菅野力さんを取材してみた
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皆さんは、菅野力さんというフルート奏者をご存知でしょうか??
なんと、スイス国立チューリッヒ芸術大学を経てハンガリーのアルバレギア交響楽団で首席フルート奏者を務めている本格派フルーティストです
今回は、菅野さんが一時帰国したタイミングで幸運にも取材することができまして、色々お話を聞かせてもらうことができました
アルバレギア交響楽団での生活や今後の日本での活動を中心にお話を聞きましたので、ぜひ最後までご覧になってみてください
ちなみに、楽譜を自動で伴奏や演奏をしてくれるアプリをご存知ですか??
Metronautは、自分の好みな曲を選択すると楽譜が表示され、さらに伴奏音源を流しながら自分の楽器を練習することができるアプリです
例えば、自分の好きな曲を選択し、ピアノ伴奏を流しながらフルートを演奏することができます
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また、以下の記事ではMetronautを始めとした自動伴奏アプリやそれらの使い方について紹介していますので、こちらもぜひご覧になってみてください
プロフィール

・名前:菅野力
・出身:静岡県藤枝市
・最終学歴:スイス国立チューリッヒ芸術大学修士課程、同大学院特別修士課程(首席で卒業)
・現在の所属:アルバレギア交響楽団(ハンガリー) 首席フルート奏者
・使用楽器:サンキョウ10K、木管フルート、ブルゲローニ(ピッコロ)
・受賞歴:トレヴィーゾ国際音楽コンクール(イタリア)最高位、第11回静岡県フルートコンクール一般部門第1位、パリ市レ・クレドール国際音楽コンクール(フランス)第1位、第7回スロヴェニア国際音楽コンクール第1位(グランプリ受賞)
・Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@suganochikara210
・X(ツイッター):https://twitter.com/passssssssapasa
・Instaglam:https://www.instagram.com/chikara_sugano/
アルバレギア交響楽団(ハンガリー)

・名称:ALBA REGIA SYMPHONY ORCHESTRA(アルバレギア交響楽団)
・所在地:セーケシュフェヘールバール(ハンガリー中西部の都市)
・歴史:1901年にセーケシュフェヘールバール交響楽団として創設、劇場の専属オーケストラとして活動。2015年に劇場から独立しアルバレギア交響楽団へと名称を変え今に至る。
・URL:https://arso.hu/en/
現在の活動状況

現在は、主にアルバレギア交響楽団の首席フルート奏者として活動されています
また、たまに日本に帰国してコンサートを行ったり、オンラインでフルートを指導したりもしています
菅野力さんの演奏
では、菅野さんの演奏をちょっと聞いてみましょう
こちら、モーツァルトのフルート四重奏曲 ニ長調 K.285をYoutubeで投稿されている動画です
とにかく圧巻の一言
ここまでのレベルになると私で表現しきれませんが、とにかく素晴らしい演奏ですね
では、菅野力さんのアルバレギア交響楽団での生活や今後の日本での活動について取材しましたので、一緒に見ていきましょう
菅野さんインタビュー(入団編)

菅野さんは何故アルバレギア交響楽団に入団したのでしょうか??
まずは、アルバレギア交響楽団への経緯について色々聞いてみました
アルバレギア交響楽団に入団した理由は?
アルバレギア交響楽団に入団した理由は何ですか??
シンプルに、アルバレギア交響楽団に受かったからですね
ヨーロッパのオーケストラに入団するのは並大抵ではなく、菅野さん自身もアルバレギア交響楽団に受かるまでは50くらいはテストを受けていたとのこと
そこで、ようやく首席フルート奏者の座を勝ち取ったのがアルバレギア交響楽団だったというのが理由のようです
それでは、この辺の入団テストについても色々聞いてみましょう
どのようなテストでしたか??
アルバレギア交響楽団はどのようなテストでしたか??
スメタナの「売られた花嫁」は、やばかったですね(笑)
アルバレギア交響楽団は3次試験まであり、オーケストラ・スタディ(オケスタ)の中から数曲とモーツァルトを演奏したとのこと
リズム、音程、表現、音色、技術、スター性について0〜20ポイントで採点されるのだとか
実は、菅野さんはスメタナの売られた花嫁を演奏した時に、演奏を一瞬止めてしまったそうです
「これは落ちたな」と思ったそうなのですが、終わってみれば見事に合格
後々聞いてみると、モーツァルトの演奏が素晴らしかったことや、スター性を感じたことが大きな要因だったそうです
スター性という評価項目があるのは面白いですよね
もしかしたら、他のオケのテストでもスター性というのがあったりするのかもしれないなと思いました
入団テストに受かるコツは??
入団テストに受かるコツはありますか??
学んだことは、首席と2番奏者では演奏を少し変えることですね
入団テストに受かるコツについて聞いたところ、学んだことは「間違えないこと」と「首席と2番奏者では演奏を少し変えること」とおっしゃっていました
例えば、首席フルート奏者のテストでは個性を出すことを意識して演奏する、2番奏者のテストでは堅実に演奏するなど、スタイルを変えて臨んだ方が良いとのことでした
確かに、2番奏者の応募なのに個性出してバリバリ演奏するのは違うのかもしれませんね
なるほどなと思いましたわ
実績は大事ですか??
やはり、入団するには実績は大事ですかね??
もちろんです
オーケストラに入団するには、ある程度の実績がないと事前書類などで足切りを受けてしまうという
例えば、コンクールでの優勝などの個人の実績が必要で、どこの音大を卒業したのかは関係ないみたいです
アルバレギア交響楽団では事前審査はなかったとのことですが、やはりオーケストラに入団したいとなるとコンクールなどで実績を上げておかないといけないようですね
菅野さんインタビュー(オーケストラ編)

アルバレギア交響楽団での音楽活動や生活について色々聞いてみました
1つ1つみていきましょう
年間スケジュールは??
楽団の年間スケジュールを教えてください
冬が忙しいですね
ハンガリーでは、キリスト教関連の祝日、独立記念日、クリスマスへの追い込み、ニューイヤーなど、冬に行事や祝日が多いことから冬でのコンサートが多いのだとか
また、ハンガリーの方々は土日をきっちり休むのが慣習であるため、楽団も土日は活動しないのだそうです
従って、平日にリハーサル、土日またいで月曜日に本番というのがパターンなのだそうです
残業もしない習慣のようで、時間にはかなりキッチリしていると
例えば、楽団のリハは9時〜12時と決まっており、時間を延長するというのはあり得ないのだそうです
どうやら、家族との時間を大切にする方々のようで、仕事は定時までしっかりやって後の時間を家族と過ごす
なので、仕事終わりの打ち上げもほぼ無いようでして、菅野さん自身も一度も同僚と打ち上げに行ったことはないそうです
この辺は日本との違いを感じますよね
ハンガリーの方々は家族を大切にする温かな人々なのだなと思いましたわ
入団して驚いたこと①
入団して驚いたことはありますか??
お客さんの拍手が凄いのにとても驚きましたね
ハンガリーのお客さんたちは拍手を最大の賛辞としているようで、とにかく盛大に拍手をするのだそうです
例えば、1曲終わっただけなのに、まるで終焉してアンコールを求めているかのような盛大な拍手をしてくれるのだとか
菅野さんは、この文化に大変驚いたとおっしゃっていました
また、お客さんの反応を見るのにも拍手を聞くのが良いそうで、少し静かめな拍手だとあんまりウケが良くなかったんだなとわかるのだそうです
ハンガリーに行った際には拍手について注目してみると面白いかもれませんね
入団して驚いたこと②
他に入団して驚いたことはありますか??
ソ連の曲は絶対にやらないことですね
以前、ハンガリーはソ連の影響下に置かれていたこともあり、ハンガリーの方々はソ連に対して良い感情を持っていません
従って、現在もなおハンガリーではソ連の曲を演奏すると毛嫌いされてしまうそうです
なので、オーケストラで有名なショスタコーヴィチ(ソ連)などの交響曲は演奏されず、ハンガリーの曲を中心に演奏されるのだとか
ちなみに、嫌われているのはソ連だけで、ロシアは良いそうなのでチャイコフスキーはOKみたいです
入団して苦労したことは??
入団して苦労したことは何ですか??
ハンガリー語が難しすぎて大変でした
ドイツ語や英語が堪能な菅野さんですが、ハンガリー語は最高に難しいらしく今だに上手く話せないそうです
しかも、入団した当時は外国人が菅野さんだけで、後は全員ハンガリーの方だったという
なので、入団当初は団員の方々が何を話しているのか分からず、楽団について行くのに必死だったと
従って、ハンガリー語を全て理解するのは難しいので、数字やアーフタクトなど音楽のポイントとなる用語のハンガリー語だけはしっかり覚えておくようにしていたとのことでした
これはかなり厳しい環境ですよね
しかも、首席フルート奏者としての任務と重圧もあるので、なおさら大変だったのではないかと思いました
同僚はどんな方々ですか??
楽団の同僚はどんな方々ですか??
ハンガリーの曲がやたら上手なんですよ(笑)
ハンガリーの同僚たちは、フランスの曲のような華やかな曲は苦手なのだそうですが、ハンガリーの曲はやたら上手なのだという
ハンガリーの伝統音楽はジプシー音楽で、独特のリズムがあって難しいのですが、彼らは楽々と演奏してしまうのだとか
おそらく、小さい頃からハンガリーの曲を慣れ親しんでいるので、DNAレベルで慣れているからなのかなと感じられているそうです
いくつかハンガリーのおすすめ曲を教えて頂いたので、その中の1つであるコダーイの孔雀は飛んだ変奏曲を聞いてみましょう
アルバレギア交響楽団の特徴は??
楽団の特徴は何ですか??
若くて勢いがありますよ
アルバレギア交響楽団は、今の名称になってから10年くらい(2024年現在)しか経っておらず、オーケストラの団員たちの年齢も若いのだとか
また、良い雰囲気で活動ができているそうで、みんな体を使いながら楽しく演奏しているそうです
この体を使って演奏するというのも日本とは違う特徴で、自分たちがメロディを演奏する箇所になるとみんな盛んに体を動かしながら演奏するそうです
なので、菅野さんも今では自然と体を使って演奏するというのが身についているとおっしゃっていました
5年間を経て変わったことは??
楽団に5年ほど在籍して変わったことは??
信頼関係ができてきて、頼りにされるようになってきました
入団した当初は、語学の壁が厚くかなり苦労されていたとのことですが、5年目にもなると慣れてきたことに加えて周りとの信頼関係もできてきたとのこと
周りから頼られるようにもなり、一層楽しくやりがいを持って活動することができているとおっしゃっていました
会社でもそうですが、信頼を得られてくるようになると一層楽しくなってきますからね
今は充実した活動ができているのかなと感じましたわ
菅野さんインタビュー(今後編)

実は、菅野さんは2024/6にアルバレギア交響楽団を退団し日本に帰国されます
帰国に至った経緯や今後の活動について聞いてみました
日本への帰国を決めた理由は??
日本への帰国を決めた理由を教えてください
完全にやりきったというのが1番の理由ですね
洗足学園音楽大学を卒業してから渡欧し今に至るまでの11年間
ひたすら「オーケストラで働きたい」という夢に向かって走り続けてきた菅野さん
苦労の連続だったし、辛いことの方が多かったけれども、「オーケストラで働く」という夢を叶え、自分のやりたいことは全てやり切ったとおっしゃっていました
今のオケを離れるのは寂しいが、今度は日本に舞台を変えて頑張っていきたいと決意したそうです
その言葉を話していた菅野さんからは、「よくやった」という満足感が漂っていました
外国に1人で赴き戦い抜いていくのは尋常じゃない努力と精神力が必要だったと思いますが、見事に夢を叶えたのは素晴らしいの一言
本当に「お疲れ様でした」と拍手を送りましょう
振り返るとどんな海外生活だった??
振り返るとどんな海外生活でしたか??
あっという間の時間でしたが、留学してよかったと本当に思います
苦労の連続だったけれども、本当に留学して良かったとおっしゃっていました
日本にいた当時は化け物みたいに上手い同世代のフルーティストがいて、彼らと渡り合っていくためにはどうしたら良いのかと悩んだ末での留学という決断だったそうです
留学したことで、自分で意見を言う大切さや自分を貫くことの重要さを学び、オーケストラの首席フルート奏者の座まで辿り着き、今は一切の悔いはないとのこと
自分がやりたいことができずに苦労している方は、思い切って留学してみるのが良いとおっしゃっていました
今後の日本での活動について
帰国後はどのように活動していく予定ですか??
実は色々と決まっていまして乞うご期待です
実は、2024/4時点ですでに色々と帰国後の活動について決まっているとのこと
現時点では詳しく話せませんが、近々重大発表があると思いますよww
乞うご期待です
日本のファンに一言
最後、日本のファンに一言お願いします
日本でのコンサートをぜひ聴きにきてくださいね
今後も忙しくされる予定とのことですが、合間を縫って個人的なコンサートもやっていきたいとのこと
これからは、きっと全国各地で菅野さんの演奏を聞くチャンスが得られると思いますので、引き続き皆で応援していきましょう
インタビューを終えての感想

インタビュー中にもずっと感じていたことですが、1つ1つの話が分かりやすくハキハキと話す方で、とてもしっかりしているなと感じました
また、精神的な強さを持っているなというのも印象的で、言うならば幾千もの修羅場を潜り抜けてきた男という感じです
これは、やはりヨーローパの厳しい音楽環境でで11年間過ごしてきた経験と自信から来ているのだと思います
そして、器が大きくとても優しい方でした
なんか、話しているうちにドンドン私と息があっていったので、一緒にお酒を飲んでも盛り上がりそうです
とにかくガムシャラに頑張ってきたというのが伝わってきて、私も良い刺激を受けました
今回のインタビューを通じてますますファンになりましたので、今後も応援していきたいと思いました
まとめ
さて、本記事をまとめますと・・・
菅野力さんの簡単まとめ
・アルバレギア交響楽団 首席フルート奏者
・11年間ヨーロッパにて研鑽を積む
・ガムシャラに夢を追いかけ叶えた男
・2024/6に完全帰国予定
インタビューをして、さらに菅野さんの魅力が伝わってきました
みんなで菅野さんを応援していきましょう
ちなみに、楽譜を自動で伴奏してくれるアプリがあることはご存知でしょうか??
Metronautは、自分の好みな曲を選択すると楽譜が表示され、さらに伴奏音源を流しながら自分の楽器を練習することができるアプリです。
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また、フルートをオンにすれば、お手本演奏として音源を聴くこともできます。
今なら、1週間無料トライヤルを実施していますので、試しに使用してみてはいかがでしょうか?
*リンク先が英語表記の場合がありますが、ダウンロード後は日本語表記になりますのでご安心ください。
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また、以下の記事では楽器の買取屋さんに直接取材した際のレビューを紹介していますので、興味がある方は以下の記事もご覧になってみてください
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